(17ページ) 「言葉にできないものが、 施設にうごめいている」 言葉にできないものが、施設にうごめいているんですね。言葉で伝わる一方で、言葉にとらわれてしまうと、いろいろと足元をすくわれてしまう。アーティストも施設職員の皆さんも、そして映像を撮っている僕自身も。インタビューの言葉だけに頼ってTURNを語ろうとすると痛い目をみるなと、初期の頃にTURNフェスの映像を初めて撮った時に思いました。 ---------------------------------------------------------------------- 田村ひろし(らくだスタジオ映像演出家/脚本家) TURNフェス6:オンラインプログラム「TURN Tunes vol.5」より 2021年8月4日 (18ページ) 「「ひきこもり」に対する先入観」 出てこれないから「ひきこもり」、語れないから「ひきこもり」というふうな変な先入観があって。出てこれたり、語れたりする人は、「もうおまえは仲間じゃない」みたいになりやすいところがあるんです。 私の経験から言うと、当事者って役割を与えられると、結構おしゃべりになったりとか、非常に理路整然と経験を語る人が結構たくさんいる。そういう部分を見ないで、「ひきこもりって、ひたすらこもって誰にも心をひらかない」みたいな先入観や固定観念に押し込めてしまうのは、非常にまずいなと思います。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 斎藤たまき(精神科医) TURNフェス6:オンラインプログラム「対談:渡辺篤×斎藤たまき」より 2021年8月10日 (19ページ) 「自由に受け取って想像する余白」 お花も音楽も抽象度の高い表現だからこそ、特定のメッセージを伝えることは難しく、同時に、自由に受け取って想像する余白が十分に残されているとも言えます。受け取ったそれぞれが一度自分のうち側へ飲み込んで何らかの解釈をすることになり、それは送ってくれた相手へ思いを馳せることでもあります。 実はこれは、とても「近い」距離で、贅沢なコミュニケーションの重ね方をしているのかもしれません。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - いかわあかし(音楽家) 活動日誌メモより 2021年3月11日 (20ページ) 「正面玄関から人は入ってこない」 自分が思っている正面玄関から人は入ってこないんだ、と思いました。いつも自分がここが玄関だって決めてるから振り回されていたのだと。挨拶をして始まる出会い方もあれば、名前で始まる出会い方もあれば、いきなり歩みよってきて、息つくまもない出会い方もまたある…ということに、気づきました。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 大西健太郎(アーティスト/ダンサー) 田村ひろし(らくだスタジオ)によるインタビューより 2021年6月23日 (21ページ) 「やってもいいんだ、失敗してもいいんだ」 今までは、こういうことをやらなきゃいけないみたいな、ちまっとした感じだったんですけど、でもそんな面白いことをやっちゃおうか!みたいな。そういう気持ちに自分も少しずつなってきて。子供たちもなんかそういうことが楽しくなってきて、やってもいいんだ、失敗してもいいんだ、そういう気持ちがみんなに出てきたのはすごくよかったかなと思います。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 近藤博子(気まぐれ八百屋だんだん店主) TURNフェス6:オンラインプログラム 「MY TURN / YOUR TURN 01」より 2021年8月18日 (22ページ) 「寂しい絵に」 コロナの状況で、まちなかに我々が頼りにしている情報そのものが減ってしまっているので、(頭の中で街を絵として描いた時に)絵自体も寂しい絵になってきてしまっている。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 鳥居健人(ブラインドサッカーチーム「free bird mejirodai」/ 参天製薬株式会社企画本部CSR室所属) 第13回TURNミーティングより 2021年3月6日 (23ページ) 「社会的な余白力」 ぶつかることで問題が具現化されるところがあるんだけど、その時にしなやかさがないと、紛争になって解決しないんじゃないかな。文化とかアートの領域って、そこに柔らかなしなやかさをもち込める、社会的な余白力のある分野じゃないかな。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 森 司(TURNプロジェクトディレクター) 第14回TURNミーティングより 2021年8月17日 (24ページ) 「持ち歩く荷物の選択」 持ち歩く荷物の選択だけで、自分の立ち振る舞いや悩みが変わる。それによって見えてくる情景やその時の感情、直面する悩みに更新があるのは面白いと思った。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 山本ちあき(アーティスト) TURNフェス6:オンラインプログラム《空白へとむかうみち[前編]》より 2021年4月20日