施設の開所から12年(屋上菜園は10年)を経て、屋上にはさまざまな植物や虫たちが集まってきていることに数年前から気づいていた。しかし日々の業務、更にはコロナ禍という状況の中、それらのことはすっかり忘れてしまっていた。
2020年度のTURN交流プログラムに関しては、行うか否かという以前に「頭になかった」というのが正直なところであったが、TURNのスタッフさんのアプローチのおかげでスタートを切ることができた。更には昨年に引き続き永岡さんに参加していただけるとのことで、オンラインでの顔合わせから始まった。
今回の交流のテーマである「はぁとぴあに生えている雑草の標本づくり」は、永岡さんがライフワークとして取り組んでいたということと、私自身もそういえば雑草に興味があった、と思い出せたことでスムーズに決まった。雑草の標本をつくり、その標本を元に絵を描くという内容であったが、私たち支援員の発想では到底思いつくはずもなく、利用者も楽しく参加していたようである。
永岡さんと同じ場に集う形での利用者との直接的な交流ができなかったのは、とても残念なことであった。またオンラインでのやり取りという新たな試みが出来たのは大きな出来事ではあったが、画面を通じての共有には限界があるということを、永岡さんの差し入れてくれた「雑草茶」の香りと苦みが教えてくれた気がする。今後永岡さんに再び来所していただき、利用者と直接交流出来る日が来ることを切に願いたい。
社会福祉法人友愛学園 塩澤正浩(はぁとぴあ原宿)