“違い”を超えた出会いで表現を生み出すアートプロジェクト

TURNとは、障害の有無、世代、性、国籍、住環境などの背景や習慣の違いを超えた多様な人々の出会いによる相互作用を、表現として生み出すアートプロジェクトの総称です。2015年、東京2020オリンピック・パラリンピックの文化プログラムを先導する東京都のリーディングプロジェクトの一つとして始動した後、2017年度より、東京2020公認文化オリンピアードとして実施しています。

TURNのある社会

TURNを創り出す4つのプログラム

アーティストが、福祉施設や社会的支援を必要とする人のコミュニティへ赴き、出会いと共働活動を重ねる「TURN交流プログラム」と、TURNの活動が日常的に実践される場を地域につくり出す「TURN LAND」を基本に据え、「TURNミーティング」と「TURNフェス」の開催によって広くその意義を発信します。

4つのプログラムの相関図

出会う

TURN交流プログラム

アーティストと、福祉施設や社会的支援を必要とする人の集うコミュニティが出会い、相互に関係しあう時間を重ねる共働活動です。また、社会や日常で表面化されていないことへの探求を目的としたアーティストによるリサーチも行います。

ひらく

TURN LAND

福祉施設やコミュニティが、アーティストとともに参加型のプログラムを企画します。場所のもつ従来の機能に、市民が集まることができる地域にひらかれた文化施設としての役割が加わり、TURNを日常的に実践する場をつくります。

集まる

TURNフェス

TURN交流プログラムやTURN LANDを実施する多様なアーティストや交流先の活動が一堂に会するフェスティバル。作品展示やワークショップ、トークイベント、オリジナルプログラム等を通して、TURNを体感します。

考える

TURNミーティング

TURNの可能性を共有し、語り、考えあう場。参加アーティストや交流先などの関係者とともに、各分野で活躍するスペシャルゲストを招き、様々な視点からTURNを考察します。

交流の様子

TURN交流プログラム


森山開次とクラフト工房La Mano

町田市の小さな里山にたたずむ「クラフト工房La Mano」では、自閉症や知的障害などの障害のある人とともに、染物や織物などの製品づくりとアトリエでの創作活動に励んでいます。ダンサーの森山開次は、自然豊かなLa Manoで利用者とともに過ごし、即興的なパフォーマンスを行いました。

TURN交流プログラム


大西健太郎と板橋区立小茂根福祉園

区立の施設として、重度の重複障害がある人から就労を目指す人まで、その人の特性に合わせた生活支援を行う「板橋区立小茂根福祉園」。アーティストの大西健太郎は、施設利用者と一緒に自分を型取って切り抜いた「みーらいらい」を宙に浮かべてまちを散歩する「風あるき」を実施しました。

TURN LAND


こども会議(気まぐれ八百屋だんだん)

こども食堂を始めたことで知られる「気まぐれ八百屋だんだん」では、アーティストの永岡大輔と一緒に「おとな図鑑」を企画。普段はなかなか出会えないような、珍しい仕事をする大人をゲストに迎え、子供たちと一緒に働き方や生き方について考えていきます。

TURNフェス3


富塚絵美とマダム ボンジュール・ジャンジ

アクセシビリティをテーマに開催した「TURNフェス3」で、アーティストの富塚絵美とドラァグクイーンのマダム ボンジュール・ジャンジが、しゃべってはいけないという空間「光の広場」を演出。フェスを訪れる人と声以外の方法による表現豊かなコミュニケーションを楽しみました。

TURNのある社会

社会には、「人と違う」ことからくる違和感や不都合が存在し、そのような状況の多くは表面化されることなく、見過ごされています。どこか居場所のない感覚から生きづらさを抱えた人たちや、彼らを支える福祉施設やコミュニティは、そうした社会に偏在する不都合を一身に背負い、向き合ってきました。

私たちは、想像力を源とするアートの力で、「人と違う」ことに価値を見出し、社会へ発信することで、人々の意識の枠組みを更新したいとの思いから、TURNを実践しています。

その入り口となるのが、アーティストと福祉施設やコミュニティに集う人たちが出会い、その人らしさに気づきあう交流のプロセスです。

そして、ひとりひとりが豊かな想像力とともにTURNのある社会について考えあうことのできる関係性や社会的ネットワークの創造を、2020年以降のレガシーとして残すべく取り組んでいます。

TURNとは、アートプロジェクトであると同時に、こうした活動を導くための新たな価値観でもあるのです。

© Arts Council Tokyo