活動日誌

ザ・東京ヴァガボンド x レッツ 第7日目

2017.8.9

テンギョウ・クラ

交流先│

  • 認定特定非営利活動法人クリエイティブサポートレッツ

今回の滞在最終日。
毎日がエキサイティングかつピースフルで、何よりインスパイアリングだった。
異文化へのカルチャーダイブとしてはコミュニケーションにおいて言葉より身体的な刺激の方が重要な場合もあり、直感的なやり取りが必要とされる場面も多かったと思う。
もちろんそれは何度もこの日報の中で書いてきたが「障害のあるなし」は詰まるところ関係ないことであって、人と人が「あなたとわたし」として出会えるかどうか、心の通い合いに大切なのは愛情と敬意なんだと改めてレッツのスタッフの皆さんに教わった。
障害を持っている人もそうでない人も、嫌なことをされたら怒るし嬉しいことをしてもらったら喜ぶ。
ストレスが大きい中だと気持ちを切り替えるのに時間が掛かったり、フラストレーションが溜まって人に当たってしまうのも同様だ。
ただ、障害を持っている人はいい意味で(つい周りの空気を読もうとしてしまう人たちと比べて)無理をしないことがあると思う。
もともとそれが出来ないからか諦めてそうなったのかはケースバイケースだと思うが、自分の心や身体の状態が周りの状況に関係なくそのまま態度に反映されやすい気がする。
我慢がないから風通しの良いやり取りになるし、気遣いばかりの人間関係が溢れる社会に疲れる人はレッツでのコミュニケーションは居心地が良いかもしれない。
僕にとっては間違いなくそういう空間だったと振り返っている。
アルス・ノヴァで働いているスタッフさんたちは利用者の皆さんが持っている障害を個性として捉え、基本的にはスタッフと利用者という立場を超え友人として接している。
もしかしたらそれは他の福祉施設では難しいことかもしれないが、少なくともここアルス・ノヴァではそういう心地良い風景が日々生まれている。
だからこそアルス・ノヴァを運営するレッツの進む道は障害を持つ人と持たない人の間に「あると思われている」タブーの幻影を破壊する希望になると思う。
僕がこの7日間で見たのは、障害を持っている人たちと言うよりは純粋に個性的で魅力的な人たちだった。
今の僕が「障害を持つ」ということに対する意見を言わせてもらうなら、障害者とそうでない人の間に明確な線は無いと伝えたい。
社会システム上は線引きされるとしても、生身の人間が作るオーガニックな関係の中では「障害」と言われている概念は単なる違いでありその人に宿った才能なんだ。
今回のレッツとの出会いを作ってくれたアーツカウンシル東京の森さん、奥山さん、山口さんに深く感謝します。
そしてアルス・ノヴァで僕を快く受け入れてくださった久保田翠さんを始め、レッツのスタッフ皆さんにも改めて感謝したいと思います。
最後に、タケシを始めとしたアルス・ノヴァに通う生まれながらのスターたち全員に心からの敬意を表します。

© Arts Council Tokyo