活動日誌

工房紙・1日目

2019.10.28

永岡大輔アーティスト

交流先│

  • 渋谷区障害者福祉センター はぁとぴあ原宿

今日から2日間にわたって、はぁとぴあ原宿の紙工房にお邪魔する。
朝礼に参加することになっており、朝9時に到着。

これから利用者さんがやってくるのを迎える。
どんどんバスから皆さん降りてきて、はぁとぴあが賑やかになる。
アリサトさんと一緒に工房まで行く。
アリサトさんはすぐ歩かなくなる。くるっと身体を回転させて、すぐに止まろうとする。と言うか立ち止まる。
なぜだろう?工房についてからも、ずっと立っている。でも、何かのタイミングで椅子に座る。
そしてずっと座っている。とても気になる。

これから2日間、紙工房での活動に参加する。
まずは朝の体操から。コウコさんが先頭に立ち、思い出した順に7通りくらいの体操をする。深呼吸をすると終わりということのようだ。
午前中は、桑の皮を剥く作業。
みんなで皮むき器で一枚ずつ外皮を剥き、靭皮(じんぴ)繊維だけにする。
地道な作業をそれぞれのペースで進める。
黙々と向き続ける人もいるし、ソガさんは今日もバスやポテチの絵をずっと描いているし、何もやらない人だっている。
それでもバケツに1~2杯あった皮が、気がつくと全て白く剥かれた状態になる。
ササキさんは、躊躇なくどんどん皮を剥いていく。
でも、自分で皮の山から1枚選んで自分の場所に置くことはしない。僕がササキさんの目の前におくと、ぐいっと剥いてくれる。
そんなに当てずっぽうに皮むき器を使っても大丈夫かと思うと、それが案外上手く、仕上がりもきれいだ。
ササキさんは瞬時にどう剥いたらいいのかがわかるようだ。

あっという間にお昼。
みんなで食堂に向かう。
コウさんと同じテーブルの斜向かいに座った。
コウさんは皮むきを隣同士でやったから、一緒にいて少し落ち着く。
タカオさんという方が、隣に座っている。
タカオさんはお話をするのがとても好きな方だ。
ずっとタカオさんはご自身の話を聞かせてくれる。
ピアノの演奏をするらしい。歌もうたうそう。
ペギー葉山さんが好きらしい。
テネシーワルツも好きらしい。
お父さんが好きらしい。

午後は、「塵取り」と言う、午前中に剥いた靭皮を柔らかく煮てミキサーで細かくしたものから
残っているゴミを取り除く作業をする。
ピンセットで一つひとつ取り除いていく。
なかなか細かい作業で集中力がいるから、苦手な人は、柔らかく煮た靭皮を細かくちぎる作業なんかもする。
午前中もそうだったけど、それぞれのペースで作業に取り組むのは心地いい。
僕らには僕らのリズムがあり、それに合わせて身体を動かすと言うのは単純な作業でも窮屈な感じはしない。
ササキさんが似顔絵を描いてくれた。
似顔絵だけど、僕の顔は見ない。でも服装は見る。そしてあっという間に出来上がる。
スタッフの小池さんの似顔絵も続けて描く。
顔は同じだった。でも、服が違う。ササキさんのことがわかるようで、とても面白い。
ササキさんに絵を描いてもらっている時、ずっと座って居るアリサトさんが、僕の手を触って居る。
ただ、くっついて居るだけかと思ったので、少しだけ距離をとるとまたくっついて居る。もう少し離してもくっついて居る。
僕が気になっていることをアリサトさんも感じてくれていたら嬉しい。

帰りの会が始まり、それぞれが乗るバスのチームに分かれる。
お昼に隣になったタカオさんがバスを待っていた。
横に座ってみる。
タカオさんは覚えてくれていたようで、また音楽の話をした。
タカオさんの歌や演奏も聴ける機会があるようだ。
バス乗り場までタカオさんと一緒に行く。
タカオさんが、また明日もお話ししましょうと言ってくれた。

一つの工房で1日一緒だったので、利用者さん一人ひとりがよりビビッドに感じられた。
皆さんが感じていることを残す方法に、紙漉きは向いているように思う。