小雨が降る中、荻窪駅からバスに乗り、日本初のネパール人学校「エベレスト・インターナショナル・スクール・ジャパン」を訪ねました。この日は最初の打ち合わせを含めて2回目の訪問で、授業の様子や普段の生活を見せていただくのが目的でした。
初めて訪れたのは9月、入口をくぐればまさに異国ネパールで、「ナマステ」と手を合わせて丁寧に挨拶をしてくれる先生と、ポップコーンのように弾ける元気いっぱいの子供たちの声で溢れていました。人懐っこい子が多くて、子供たちの元気な笑顔に、私もワクワクしました。
この学校には現在、幼稚園から中学3年生までの約230人が通っていて、来年度は中学を卒業した子供たちを受け入れる為の、高校もつくるとのこと。
それにしても、もう既に元気な子供たちの人数に対しては狭すぎる印象…。それに部屋によっては窓が無い為、少し閉塞感があります。
いつもお話をしてくれる総務部の藤尾さんから、ネパールの文化や、日本におけるこの学校のあり方についてなどをたくさん伺いました。 膨大な情報量に、(これは数回ワークショップをやればいい活動では無いな…)と直感で思いました。まずは私がもっとネパールの事をよく知って、この学校に通う子供達とも仲良くならないと。同じ時間を共有して、そして一緒に前進していく時間が必要だなと思いました。
ということで、まずは初めて授業に参加させてもらいました。この日は幼稚園の年少さんから年長さんまで3クラスを巡りました。
ハロウィンが近いこともあって、年少さんはハロウィンの歌を英語で歌っていました。授業は基本的に英語だけれど、ときどき聞き取れないな、と思うとネパール語です。そうかと思えば日本語の瞬間もありました。生徒はほぼネパールの子供たちだけど、日本の子も数人います。
年中さんは、一人ひとりがスケッチブックを広げて、秋の木を描く授業をしていました。指先に先生が指定した絵の具をつけて、もともと描いていた木に、紅葉した葉っぱをペタペタ描いていきます。絵の具のチューブのままの色ではなく、先生がつくった色なので、素敵な色合いの秋の木が完成していきました。ドタバタで授業が始まり、そして全員が終わるまで、約15分くらいだったでしょうか…。とにかく時間が無いようで、あっという間に皆が同じ秋の木を完成させました。指で色をつける場所によって、多少個性がでます。でも全て同じ作業だから、ほぼ同じ絵がたくさんできます。本当だったら、もっと時間をかけて一人ひとりが考えて生まれた、個性溢れる秋の木々を見たいものです。絵って、確かに上手い下手があるかもしれないけれど、作品が完成するまでに工夫する力や観察力、想像力が生まれるものなので、そういった過程を大事にする時間が必要です。少しでもその豊かな仕組みをつくってあげたいな、と思いました。
でもこの学校には、今置かれている環境の中での、先生や大人たちの工夫がたくさん見られました。「日本でも、世界でも活躍できる人に育てたい。」そう藤尾さんがお話していました。きっとそれは、ネパール本国のためにもなっていくのだと思います。
さて、なんだかとても壮大な活動になりそうだなあ…、と思いつつ、まずはできることから、と思って、帰りに本屋さんで簡単なネパール語を学べる本を買いました。
とにかく簡単な挨拶だけでもいいから、ネパール語を覚えて、私も一員になれるよう頑張ります