イベント

TURN in BRAZIL

2016.8.18 - 9.7

アーティストの日比野克彦による監修のもと、異なる背景や習慣を持ったさまざまな人々との出会い方、つながり方に創造性を携え働きかけていくアートプロジェクト「TURN」。2016年度は、国内に加え、世界中の注目が集まるリオデジャネイロ 2016 オリンピック・パラリンピック競技大会時に現地においても開催します※。

「TURN in BRAZIL」では、日本及びブラジルを拠点に活動するアーティストたちが伝統工芸を携えて、サンパウロに滞在しながら福祉施設に通い、施設を利用する障害のある人や地域の人たちなどの日常に触れながら関わり合っていく交流プログラムを実施します。そして、そのプロセスを通して生まれた作品等をパソ・インペリアル(リオデジャネイロ)に展示するともに、ワークショップやカンファレンス等を開催します。

・監修:日比野克彦(アーティスト、東京藝術大学美術学部長・美術学部先端芸術表現科教授)
・主催:東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)

※「CULTURE & TOKYO in RIO」のプログラムの一つとして実施します。

監修者・日比野克彦によるステイトメント

生きていると形が生まれる。
木々が作る枝葉の形、アリが作る蟻塚の形、川の流れが作る石の形、風が作る砂紋の形。
そして人も生きていると形をつくる。人が生きてきた地域から生まれたその地域ならではの形がある。
長い時間の中で生まれたその地域の形に人が携わった時に、人は、自己の中に流れる生きる力を再び実感する。
時間を超えて地域がつながる。地域を超えて時間がつながる。

TURN in BRAZIL 開催概要

会期

2016年8月18日(木)〜9月7 日(水)

会場

パソ・インペリアル
(Paço Imperial, Praça Quinze de Novembro, 48 – Centro, Rio de Janeiro)

入場

無料

開館時間

12:00〜19:00(月曜休館)

カンファレンス

日時

2016年8月27日(土)、28 日(日) 14:00~17:00 (受付開始:13:30)

会場

パソ・インペリアル 2階 SALA DOS ARCHEIRO
(Paço Imperial, Praça Quinze de Novembro, 48 – Centro, Rio de Janeiro)

入場

無料
※日本語・ポルトガル語逐次通訳あり

ファシリテーター

日比野克彦

8月27日(土)「私があなたにTURNする時/本来私たちが持っている人の力を」
テーマ:TURNプロジェクトの活動報告
登壇者:
-ジュン・ナカオ氏(アーティスト)
-五十嵐靖晃氏(アーティスト)
-タチ・ポロ氏(アーティスト)
-瀧口幸恵氏(ワークショップファシリテーター)

8月28日(日)「五輪の役割がTURNする時/新たな文化の基礎作りへ」
登壇者:
-平田アンジェラ氏(ジャパンハウス サンパウロ プレジデント)
-吉本光宏氏(ニッセイ基礎研究所研究理事)
-太下義之氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング芸術・文化政策センター主席研究員/センター長)
-森司(アーツカウンシル東京 リーディング・プロジェクトディレクター)

TURN in BRAZIL 参加者×サンパウロ福祉施設×題材

・ジュン・ナカオ(アーティスト/ブラジル)×憩の園×ブラジルの伝統的な籠編み(セスタリーア)
・タチ・ポロ(アーティスト/ブラジル)×こどもの園×江戸つまみ
・五十嵐靖晃(アーティスト/日本)×PIPA×江戸組紐
・瀧口幸恵(ワークショップファシリテーター/日本)×Monte Azul×東北切り紙「きりこ」

ジュン・ナカオ(アーティスト/ブラジル)

サンパウロ在住日系3世のアーティスト、ブラジルを代表するファッションデザイナー、アートディレクターデザイナー。
2004年のサンパウロ・ファッション・ウィークでのショーは、歴史に残るパフォーマンスとなった。紙で制作された繊細なドレスがモデルたちによってちぎられたシーンは、世界のファッション界からも注目された。2012年ロンドン五輪閉会式では、リオデジャネイロ紹介の演出を担当。2015年には、ハリウッド映画芸術科学アカデミーの依頼により、ソフィア・コッポラ監督作品「マリーアントワネット」をモチーフにしたインスタレーションを制作した。
www.jumnakao.com

今回の「TURN」では、サンパウロ市に隣接するグアルーリョス市にある日系の高齢者介護施設「憩の園」に通い交流プログラムを行いました。入所者たちの幼年時代の話に耳を傾け、入所者たちと一緒に、ブラジルの伝統的な籠編み(セスタリーア)技術を使って作品を制作しました。

タチ・ポロ(アーティスト/ブラジル)

サンパウロ生まれのテキスタイルアーティスト、建築家。
世界の伝統テキスタイルアートに強い関心を示す。学生時代には絹絵工房で働き、染色技術を身に着けた。1998年からファッションデザイナー、インテリアデザイン専門店などとの協同企画を通じて、デザイン見本市や現代工芸の展示会に参加。2001年に加賀友禅染めの技術を著名な専門家に教わるために訪日。その経験から絞りや植物染色の技術習得へと発展した。独自の作品には柄、色彩、素材の質感を通して母国(ブラジル)と先祖(日本とボリビア)の文化の融合を表現する。2010年からは建築デザインの仕事と平行して、絞り、染色、草木染めのワークショップも実施。

タチ・ポロ×こどもの園×江戸つまみ
今回の「TURN」では、江戸時代から伝わる伝統工芸「江戸つまみ」(小さな布をピンセットでつまんで折畳み、組み合わせることによって花や鳥の文様を制作)の心と技術を習得するため、1か月間、東京に滞在しました。その後、サンパウロの知的障害者施設「こどもの園」に通い、入所者の日常に寄り添いながら、ともに「江戸つまみ」を制作しました。

五十嵐靖晃(アーティスト/日本)

1978年千葉県生まれ。2005年東京藝術大学大学院修士課程修了。人々との協働を通じて、その土地の暮らしと自然とを美しく接続させ、景色をつくり変えるような表現活動を各地で展開。これまでのプロジェクトで、2005年にヨットで日本からミクロネシアまで約4000㎞、2012年に日本海沿岸をたどる約970㎞の航海を経験。“海からの視座”を活動の根底とする。代表的なプロジェクトとして、樟の杜を舞台に千年続くアートプロジェクトを目指す福岡県太宰府天満宮での「くすかき」(2010〜)や、漁師らと共に漁網を空に向かって編み上げ土地の風景をつかまえる「そらあみ」(瀬戸内国際芸術祭2013・2016)などを多数地域で行う。熊本県津奈木町では海の上にある廃校を拠点にしたアートプロジェクト「赤崎水曜日郵便局」(2013~2016)の企画運営に携わる。
http://igayasu.com

五十嵐靖晃×PIPA×江戸組紐
今回の「TURN」では、江戸組紐(古くは縄文時代から伝わり、現在では一般的に帯締めや羽織紐に代表される)の職人のもとで研修を実施。サンパウロでは、自閉症児療育施設「PIPA」に通い、江戸組紐の工程を一緒に行うことを通して、現地の子供たちとの関係を深めていきました。また、今回のプロジェクトでは昨年度の「TURN」で五十嵐が交流したクラフト工房「La Mano」で藍染めされた木綿の糸も使用しています。

瀧口幸恵(ワークショップファシリテーター/日本)

1990年徳島県生まれ。2013年香川大学法学部法学科社会設計コース卒業。在学中に公益社団法人セカンドハンドの学生部に加入し、カンボジアのフェアトレード商品販売・啓発活動、及びスラム街の学生への奨学金支援を行う。(2011年度は学生部代表)広告代理店勤務後、墨田区を拠点にワークショップや交流イベントを開催。すみだ川ものコト市ではボランティアコーディネートを担当している。2014年、働いていた東向島珈琲店でアーティストのEAT&ART TARO氏と出会い、以後複数作品のアシスタントを務める。(参加プロジェク ト:大地の芸術祭越後妻有トリエンナーレ2015『ザキュウリ ショー』 、食通-Food correspondence-(アートNPOヒミング)、TURNフェス『夕飯コンシェルジュ』他)

瀧口幸恵×Monte Azul×東北切り紙「きりこ」
今回の「TURN」では、東北切り紙「きりこ」の研修のため、宮城県南三陸町に1か月間滞在しました。「きりこ」の研修やリサーチを行うと同時に、南三陸町と気仙沼市等の学校や地域の人々とワークショップを実施。そしてサンパウロ近郊の福祉施設「Monte Azul(モンテアズール)」に滞在し、施設を利用する障害のある人や地域の人たちとともに「きりこ」のワークショップを行いました。

*「CULTURE & TOKYO in RIO」の一環として、「東京キャラバン」と「TOHOKU &TOKYO in RIO」も開催します。詳細は、下記のプレスリリースをご覧ください。
>>リオデジャネイロにおける文化事業の実施 「東京キャラバン」、「TURN」、「TOHOKU & TOKYO in RIO」[PDF](アーツカウンシル東京)