活動日誌

気まぐれ八百屋だんだん「町にでるんば」開催レポート

2021.3.2

TURN運営スタッフ

大田区にある気まぐれ八百屋だんだん(以下、だんだん)は、こども食堂や寺子屋など地域に根ざした活動を行う、コミュニティ八百屋です。2017年度からTURN LANDとしての活動をスタートし、「おとな図鑑」や「だんだんHEKIGAプロジェクト」など、学生ボランティアと一緒に活動を行ってきました。

2020年度はTURN LANDの一環として、芸術探検家の野口竜平さんがだんだんを拠点に、町に繰り出し「町の新しい機能や可能性の気づき」を共有/蓄積/発展させてゆくプロジェクト「町にでるんば」を開催しました。

2020年9月に実施した「第1回 町にでるんば」と2021年2月の「町にでるんばにアイデアをのせるんば」の様子をレポートします。

■「第1回 町にでるんば」[2020年9月20日(日)]

撮影:鈴木竜一朗

野口さんがだんだんを拠点に、オリジナルリヤカー「でるんば号」を引いて町に出た「第1回 町にでるんば」。

まずは、オンライン上に集う参加者と「でるんば号」に施す装飾や、野口さんが町を歩く際のルールについて考えるグループワークを行いました。グループごとに「リヤカーに付けるてるてる坊主の顔を考える」「野口さんが踏切を渡るときの掛け声を決める」など、さまざまなお題について話し合い、だんだんにいる野口さんに伝えました。

てるてる坊主の顔を考え発表している様子(左)。参加者の発表をもとに野口さんがてるてる坊主に顔を描きました(右)。撮影:鈴木竜一朗
「でるんば号」に装飾をしている様子。撮影:鈴木竜一朗

参加者の意見をもとに「でるんば号」に装飾が完成した後、野口さんは町へ出発!
リヤカーに設置したカメラでリアルタイムで参加者と繋がりながら、町を歩いていきます。

「でるんば号」のカメラからの様子

野口さんがリヤカーを引いていると、町の人に声をかけられたり、物をいただいたり、小さな出会いと交流がたくさん生まれました。また、グループワークで参加者と決めた、3分に1回「超気持ちいい〜!」と叫ぶといった、町を歩く際のルールを野口さんは実行しながら町を歩いていきます。

「超気持ちいい〜!」と叫ぶ野口さん。撮影:鈴木竜一朗

野口さんの町歩き中、一緒にリヤカーの制作をした「歩行者天国研究家」の内海皓平さんとだんだん代表の近藤博子さんが実況中継を行い、参加者はオンライン上でその様子を見ながら、町歩きを体験しました。

また参加者は、画面の映像を頼りに、野口さんが歩くルートや自分が気になったものなどを手元で記録に残しました。移動ルートをもとに地図を描いた方、同じ色のものをスケッチした方など、個性豊かな記録が、参加者の人数分できあがりました。

参加者の記録

「町にでるんば」では、野口さんが踏切を渡る時に参加者全員で合言葉をかけることで、一緒に町歩きをしている気持ちになること、出会った人への声のかけ方で相手の反応が異なることなど、多くの発見がありました。参加者からは「知っている景色が普段と違って見えた」「カメラを通して、自分が町を歩いているような感じがした」などの感想が寄せられました。

■「町にでるんばにアイデアをのせるんば」[2021年2月13日(土)]

この日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、町に繰り出すことを控え、「町にでるんばにアイデアをのせるんば」と題し、リヤカーをひいて町に出かけるとしたらどんなことができそうか、どんなリヤカーがあると町と繋がることができるのか、参加者とオンラインでアイデアを出し合いました。

まず、野口さんからリヤカーに興味を持ったきっかけとなるエピソードが語られました。

ある日、二子玉川の川沿いで、ホームレスのおじさんに出会った野口さん。おじさんが普段生活をしている家には車輪がついており、「これは家ではなくリヤカーだ」という言葉を聞き衝撃を受けたそう。当たり前だと思っていたことが実はそうではない、と感じたこの経験が、野口さんがリヤカーに着眼したきっかけになっているそうです。また、だんだん店主の近藤さんも「花屋さんがリヤカーでお花を可愛らしく販売するように、いつか野菜を売ってみたい」という思いがあり、リヤカーをもちいてだんだんを町にひらいていく企画がはじまったそうです。

続くワークショップでは、「宇宙にひとつだけのだんだんオリジナルリヤカーをつくろう」というテーマで、参加者それぞれの願い事を叶えるために、リヤカーを活用してどんなことができるか、グループに分かれてアイデアを出し合いました。一人の参加者の願い事に他の参加者が直感でアドバイスをし、それを受けて願い事を叶えるアイデアをまとめていきます。

そして、グループごとに、アイデアを発表。
例えばある参加者の「朝ドラに出たい」という願い事からは、「リヤカーで紙芝居ができるように改造して15分で自分の半生を語り、伝説のおばあちゃんになって朝ドラに出る」というアイデアが生まれました。「子供たちに本物の食の味を味わってもらいたい」という願い事からは、「リヤカーを畑にして、種から野菜を育て食べてもらう」といったアイデアが生まれました。

参加者の願い事をきっかけに想像を超えたアイデアがたくさん集まり、リヤカーの可能性や「町にでるんば」の今後の展開に可能性を感じる時間でした。

「いなかった人に伝えるんば」※で講師を務めたデザイナーの鈴木健太さんが参加者のアイデアをその場でイラストにしました。
※「いなかった人に伝えるんば」についてはこちら

参加者からは「自分の願い事についてアドバイスをいただけて嬉しかったし、とても楽しかった」といった声がありました。鈴木さんがイベント中に書いたイラストは、後日、アーカイブに掲載予定です。お楽しみに!

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