2021年10月中旬から、再び「エベレスト・インターナショナル・スクール・ジャパン」に通いました。7月に訪れてから、久しぶりの交流です。7年生〜10年生(日本の中学1年生〜高校1年生)の各教室をめぐって、アートクラス開催です。今回は、自分で持ち歩くものをデザインすることの楽しさを知ってもらう機会をつくりたいと思いました。45分授業なのであまり時間はかけられないのですが、短時間で何ができるかを考えて、トートバッグをつくることにしました。今やどこで買い物をするにも必需品になっています。
これまでと同じように、制作の過程では偶然性と発見を狙いたいので、シールシートを折って切って、広げてできた面白い形をステンシルでペタペタ色付けしていく方法を考えました。
色と形で遊んでできるバッグです。
さすが高学年。とても丁寧に手が動いていました。最初は「え?これでいいの??」とキョロキョロ周りを見ながら、やや不安気に制作をする子たちが多いのですが、1つの形がバッグの上に現れると、そこから一気にテンションが上がります。最初の「やらされている感」から「自分はこんなバッグをつくりたい!」に、みるみる変わっていきました。
7年生約20人が、自分のお気に入りのトートバッグを仕上げて「持って帰っていいの?!これ!」と大喜び。自分が使うものをデザインする楽しさは、充分に伝わったようです。
1クラスが無事にできて、私も安心した次の日は8年生。「今日はこの教室です」と案内され、中に入って挨拶をすると、元気な顔ぶれ。(ん??夏に会った子たちな気がする…。確か6年生だった気がする…。) 直感で感じたものの、何度確認しても扉には「Grade 8」と書いてあります。その日サポートに入ってくれていたTURNコーディネーターの工藤さんと交互に何度も何度も確認をして、「Grade 8って書いてあるよね」とヒソヒソ。前を見ると、目をキラキラにした子供達が「今日は何やるの?」と既に準備万端なので、私の勘違いだと開き直って「では材料を配ります〜!」とスタートしました。最初は丁寧にハサミで切り抜いていきます。
7年生と同じように、1つの図形がバッグに現れると、途端にメラメラと創作意欲が湧いてきます。つくりたい気持ちは45分の中では抑えきれず「まだつくりたい〜!」と、ほぼ全員に言われますが、学校のスケジュールはとても忙しく、アートクラスは強制終了してしまいます。生き生きした子供たちの顔を見た先生たちは、表現することの大切さに気づいてくれます。
完成すると、カメラに向かって、作品を見せたい子たちがみるみる増えていきました。とても元気なクラス。
と、そこで事務の藤尾さん。「すみません…。ここ、6年生でした…。教室の引っ越しの時、扉のプレートの表記を変えてなかったようです…。」
「ええええ〜!やっぱり〜!」と私と工藤さんは大笑い。この学校では、いつも嵐のようにいろいろなことが起きるので、これくらい大したことない、と私たちもどんどん大らかになっていきます。
急遽アートクラスができたラッキーな6年生。ものすごくパースがついた集合写真を撮りました。
9年生、10年生はさすが大人っぽく、作業も丁寧でした。友達同士で型を交換することも多く、お揃いの形が散りばめられて、思い出に残る作品ができたようです。
取り残されてしまった8年生は、時間を改めて設定し、最後に制作することができました。教室に入ると「待ってました〜!!」と言わんばかりで、みんながアートクラスを楽しみにしてくれていることが、私自身にとっても嬉しいです。
授業は英語でしているので、一生懸命伝えたい気持ちを持っていると、私自身も勉強になります。先生や生徒同士の会話はネパール語の時もあり、言葉に関しては私ももっと勉強しないといけないな、と思うのですが、手を動かして伝えれば、簡単にお互いに気持ちが通じ合います。美術や音楽の良いところの1つ「言葉の壁を乗り越えられる」という体験は、「つくりたい!」という万国共通の情熱を巻き込みながら、私も含めて、いつの間にか子供たちと一緒に貴重な経験を積んでいるのかもしれません。