イベント

TURN in TUCUMAN, BIENALSUR

2019.6.29 - 8.18

裂織りを活用した交流を通して作品を制作

2017年に引き続き、TURNは、第2回目の国際南米現代美術ビエンナーレ「BIENALSUR」に招聘され、「TURN in TUCUMAN, BIENALSUR」を実施しました。
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで展開した2017年の「TURN in BIENALSUR」を経て、今年は都心部ではなく山間部の地域コミュニティでプロジェクトを繰り広げました。アルゼンチン北部トゥクマン州の中心地からさらに離れた、先住民の歴史とともにあるキルメス地域。この土地へ、アーティストの曽根麻衣と布下翔碁が日本から赴き、約1ヶ月間の交流プロセスを通して、現地のアーティストや職人と協働しました。
交流先としてアーティストたちが通ったのは、現地の2箇所の小学校。その交流の成果を、州都であるサン・ミゲル・デ・トゥクマンにてワークショップや展示で披露します。そして、8月下旬には、実際に交流を行ったキルメス地域での展示とワークショップを展開します。

【TURN in TUCUMAN, BIENALSUR概要】

参加アーティスト×伝統文化
曽根麻衣×裂織り
布下翔碁×陶芸・土への所作

開催期間・場所
●TURN交流プログラム
実施期間:2019年6月3日(月)~ 6月21日(金)
実施場所:School 213、School 217 ※ともに小学校

●展覧会・ワークショップ
開催期間:2019年6月29日(土)~8月18日(日)
会場:Timoteo Navarro Museum(州都サン・ミゲル・デ・トゥクマン)

開催期間:2019年8月25日(日)~8月31日(土)
会場:The ruins of Quilmes Museum(キルメス地域)

主催 :国立大学法人東京藝術大学、東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、特別非営利活動法人Art’s Embrace
共催 :トレス・デ・ フェブレロ大学(BIENALSUR事務局)

キルメス地域は、先住民が迫害されたり、移動を強いられたりしてきた歴史をもち、また地形や気候の特性によって不安定な状況にも置かれてきました。現在、地域ならではの文化やアイデンティティを再考しようとする動向が生まれています。曽根は伝統的な裂織りの技術を、布下は日本の陶芸や土への所作を携えて、現地の小学生と交流しました。この地域では、遺跡に着目した研究や保存活動、そして伝統的なシンボルを大切にした様々な企画が行われており、そうした活動に携わる教員や職人に支えられながら、曽根は「織り込み、紡ぐ」ことで生まれた色鮮やかな裂織りのウチワを更に繋げ、布下は土地の土を採取し「捏ねて、混ざり合う」などの行為を通して一人ひとりと向き合いました。

また今回、2017年に開催したTURN in BIENALSURの参加アーティストであるアレハンドラ・ミスライ(トゥクマン州出身)が、日本人アーティストと現地の作り手たちや交流先を結ぶコーディネーターとして活躍し、より豊かなプロジェクトに発展しています。

キルメス地域の風景に 乱立する巨大サボテン
曽根麻衣の交流プログラムの様子
布下翔碁の交流プログラムの様子
© Arts Council Tokyo