活動日誌

板橋区立小茂根福祉園「リモート文通式劇場-こもね座『4コマバイオーム』」開催レポート

2021.2.14

TURN運営スタッフ

板橋区立小茂根福祉園はアーティストの大西健太郎さん、宮田篤さんと共働しながらTURN LANDの活動を展開しています。

1月20日(水)、「リモート文通式劇場 こもね座『4コマバイオーム』」をオンラインで開催しました。小茂根福祉園のこもね座のメンバーから届いた4コマ漫画に、参加者による文字や絵が加わり、新たな物語が紡がれていくイベントとなりました。当日の様子をレポートします。

漫画を紹介する参加者の様子

まず、小茂根福祉園のメンバーとスタッフ、アーティストが三位一体となって取り組むプロジェクト「こもね座」について、座長の高田さんが紹介。前半は宮田さんが進行役となり「微分帖」※という仕組みを使ったウォーミングアップを行いました。「微分帖」とは、紙を2つに折り、その4面に参加者が交互に文章を綴っていくというもの。ひとりが最初の4面に書き入れたら、その紙の間に新しい4面を差し入れて、別の人が新たな文章を入れ、ひとつながりの物語をつくっていきます。
※微分帖についてはこちら→https://divnote.mystrikingly.com/

今回は、参加者がペアとなり物語をつくりました。1人がつくった話に、その相手から新たに場面が追加され、話の内容や世界観が変わっていくことに、参加者は新鮮さを感じている様子でした。

「微分帖」でウォーミングアップをした後は、こもね座のメンバーから届いた4コマ漫画に、参加者がお返事を書き(描き)ました。「文通」行為を通して体験するこのイベントは、「文通式劇場」と呼びます。

まず、こもね座のことを参加者に知ってもらおうと、小茂根福祉園の職員から「きらりグッと(誰かのちょっとした良いところや、心に残ったことなど、「きらり」としたり「グッと」きた時の気持ちを切り取って、他の人に伝えてみる試み)」の紹介がありました。

小茂根福祉園から事前に届いたキット。キットにはこもね座のメンバーが描いた4コマ漫画が入っていました。

参加者は4コマ漫画を描いたこもね座のメンバーに思いを寄せながら、新しく4コマを描いていきます。時折、オンラインの画面に登場するこもね座の座員の掛け合いに笑顔を向けながらも、皆さん真剣な表情で漫画の中に入り込み、おはなしを付け足していました。

完成した8コマ漫画は、最初の4コマからは想像できない展開になったものや、メンバーから届いた作品の模様をスクラッチしたものなど、さまざまです。参加者からは「どんな4コマを追加するか迷った」「新たな4コマを描く際、筆致と色味を元の4コマに寄せることに力を入れた」といった声がありました。

完成した「8コマ漫画」

最後に大西さんから「今日それぞれのお家で膨らんだイメージが、またこもね座で膨らんでどのような広がりが起きるのか、これからもじっくりと育てていきたいと思います」という言葉で締めくくられました。

完成した8コマ漫画は、後日、参加者から小茂根福祉園に送られ、こもね座のメンバーも鑑賞しました。今後の「こもね座」の展開が楽しみです。

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