板橋区立小茂根福祉園はアーティストの大西健太郎さん、宮田篤さんと共働しながらTURN LANDの活動を展開しています。
12月8日(水)、「四コマ漫画文通式劇場 こもね座『電光!!ギガマスバイオーム』」(以下、ギガマスバイオーム)をオンラインで開催しました。2021年1月に行った「リモート文通式劇場-こもね座『4コマバイオーム』」を発展させ、小茂根福祉園のメンバーである「こもね座」の座員たちと参加者の熱いエネルギーが交わされた、当日の様子をレポートします。
■小茂根福祉園のメンバーのエネルギーを届けたい
ギガマスバイオームは「小茂根福祉園のメンバーのエネルギーを届けたい」という、小茂根福祉園の職員で、こもね座の座長を務める高田紀子さんの挨拶から始まりました。まず、宮田さんと座員から、「微分帖※」の仕組みを利用したイベントの内容を参加者に説明していきます。
「微分帖」とは、紙を2つに折り、その4面に参加者が物語を綴って、その紙の間に他の参加者が自分の描いた物語を挟んでいくというもの。一人が最初の4面に書き入れたら、その紙の間に新しい4面を差し入れて、別の人が新たな文章を入れ、ひとつながりの物語をつくっていきます。
※微分帖についてはこちら→https://divnote.mystrikingly.com/
「ギガマスバイオーム」でも、こちらの仕組みを用い、座員が描いた4コマ漫画の間に参加者が新たに話を描き込みます。
前回の「4コマバイオーム」では、間に4コマを追加しましたが、今回はさらに「バイオームシート」を間に挟む形でストーリーを広げていきました。
「バイオームシート」とは積み上げたレンガのようにコマが書いてあるシートで、参加者は、物語を斜めに描いたり、二つに分岐させるなど、自在に話を展開してくことができます。
参加者は、コマの線を電車の線路に見立てたり、旅行の移動風景を描いた4コマに停車駅にちなんだキャラクターを登場させたりするなど、参加者ごとに新たなストーリーを広げていきました。
■「掛け合いカードはありますか!?」
参加者が描いたバイオームシートを2つ紹介した後、次のプログラムへ進みます。
大西さんが取り出したのは、黄色い名刺サイズの「掛け合いカード」。「掛け合いカード」は、参加者が紹介しているバイオームシートを見て、ふと思い浮かんだことや連想したこと、つい記憶に結びついたことなどを、カードに書いて画面にかざすことで、物語を紹介している人のイメージをさらに広げるというものです。
大西さんの「掛け合いカード、ありますか!?」の掛け声とともに、座員たちが入れ替わり立ち代わり、掛け合いカードを紹介します。
ユニークな言葉が書かれたカード、いくつもの顔が描かれたカード、ハンバーグ弁当が描かれたカードなどが次々に画面に映し出され、参加者のイメージが膨らんでいきます。座員たちは積極的に掛け合いカードを画面にかざし、中には何枚ものカードを画面に映す座員もいました。
その熱量につられて、参加者も次々にバイオームシートを描き足していきます。
今回の「こもね座」の幕間には、こもね座で2021年新たに取り組んだ活動「コレダ・レーダ」を映像で紹介。
コレダ・レーダは複数人で「着る装置」を身にまとい、時間を過ごすというものです。「二つの衣装が一つにつながった衣装」を着ると、二人の動きが互いに影響することで、自分の発した動きなのか相手の発した動きなのかが曖昧になり、「これ、誰だ?」(=コレダ・レーダ)と、動きがシンクロしていく様子が紹介されました。
その後、参加者も積極的に掛け合いカードを出し合い、スポットライトが切り替わるように画面が次々に切り替わっていきます。参加者全員のバイオームシートを用いた掛け合いは大盛況のうちに終了。最後に、それぞれが描いたバイオームシートを見せ合いました。初めに描かれたものとはずいぶん様変わりし、バイオームシートがほとんど埋まってしまっている人もいました!
会の終了時、こもね座座長の高田さんから挨拶がありました。
高田さん:こもね座の座員の皆さんのエネルギーはいかがでしたでしょうか?私は、この仕事をして利用者さんの魅力に心を奪われてもう20年経ちます。良ければ参加者の皆さんもまたの機会に直接お会いして、関わっていただけたらと思います。
小茂根福祉園のメンバーのエネルギーをいかにオンライン越しに届けるか、その試行錯誤が形になった今回のこもね座。「こもね座」の新たな展開が見える時間になりました。
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